価格算出の根拠は?
土地の値段って誰がどうやって決めているか知っていますか?
値段を付けるのは不動産屋さん?それとも売主さん?
実は不動産会社の担当者が売却を希望される売主さんから依頼を受けて査定し、決めています。
不動産は売り手と買い手の双方が合意して売買が成立します。売主さんは高い方が嬉しいし、買主さんは安い方が有り難いのです。お互い相反する状態ですので、その双方が妥協できる点が『相場』となります。
この相場、どこかで誰かが示してくれているわけではありません。上記の通り売り買い双方が折り合える地点を予測して値段を出していくのです。不動産は全く同じ物件というのがありませんので値付けの際には少し悩むわけです。
値付けのことを査定といいますが、その方法はいくつかあります。住宅地を査定する場合、一番確実な値付け方法が『事例比較法』といわれるものになります。
これは最近成約した近所の物件を参考に、その土地の持ついろいろな条件を勘案して値段をプラスマイナスしながら適正な価格を求めていく手法です。
実際に決まった事例を基にするのでハズレがありません。
◆土地の値段を決める要素
- 交通の便(駅までの距離)
- 買物の便(最寄り商店街までの距離)
- 前面道路の状況(方位や幅員など)
- 土地の形状(整形地か否か)
- 間口(土地が道路に接している長さ)
- 施設整備の状況(下水道・ガスが整備されているか)
- 街路状況(街並みが整然としているか)
- 周辺の状況(嫌悪施設があるかどうかなど)
- 隣地の状況
- 騒音・振動
- 日照・採光
- その他(崖地や法面・通路部分・前面道路との高低差など)
こういった要素を『事例地』と『査定値』との間で比べながら値付けをしていくのです。
今回は成約事例の物件として以下の事例がありました。
成約事例物件
物件所在地/札幌市清田区北野4条3丁目
成約金額/1,398万円(坪単価276,000円)
土地面積/167.55㎡(50.68坪)
方位/北東の角地
接道/間口20.0m(2辺合計)
成約年月/2018年6月25日
ちょうど同じ【北野4条3丁目7】ブロックで事例がありましたので比較しやすいです。
ここから導き出された査定額が【1,850万円】です。
方位が南向きであり日照や採光に優れていること、道路間口が12.5mあり建築プランの自由度が高いことなどが不動産の評価上とても優位になる点です。
ご購入にかかる費用
この土地を買う際に必要な費用は以下の通りです。
- 登記費用
- 仲介手数料
- 売買契約書印紙代
- 固定資産税精算金
1.登記費用
所有権移転登記費用は約200,000円程度必要になります。
2.仲介手数料
1,850万円×3%+60,000円とその消費税=676,500円になります。
3.売買契約書印紙代
5,000円
4.固定資産税精算金
決済日を基準に売主と分担します。約10,000円程度。
合計で約90万円程度の準備が必要ですね。
【注意】
上記は土地のみを単体で、かつ現金で購入した場合の諸費用です。
土地を購入される方は住宅を新築する目的の場合が多いと思いますが、その場合はつなぎ融資を利用されるケースがほとんどです。
その際には上記諸費用に加えて抵当権設定登記費用なども必要になります。
この辺りは建物の融資と一体で借入の手続きをすることになりますので、ハウスメーカーの営業マンや融資担当者と協議してください。
全体の資金計画の中に上記費用が組み込まれることになりますので、ハウスメーカーの資金計画書をご確認いただければ建物の諸費用と併せてご理解いただけると思います。
ご購入の流れ
ご購入は以下の流れになります。
基本的な流れ
- 購入の申し込み
- 売買契約
- 売主側で建物解体撤去
- 残金決済・引渡し
土地を見ていただき、お気に召していただければあとは売主さんと建物解体のスケジュール次第です。
ただし住宅を新築するために融資を受けて購入される場合はもう少し手順が追加されます。
融資を受けて購入するときの流れ
- 購入の申し込みをする
- ハウスメーカーと建築プラン作成&大枠の予算決定
- 銀行へ事前審査申込
- 事前審査が承認されてくる
- 売買契約
- 建築確認申請
- 銀行へ融資の本申し込み
- 本承認が下りる
- 売主側で建物の解体撤去
- 残金決済・物件の引き渡し
…となります。申し込みから売買契約まで2週間から1か月はかかります。さらに確認申請~融資本申込~本承認まで1ヶ月程度、そこからスケジュール的にスムーズに建物解体ができれば全行程3ヶ月以内で進めることができます。
段取りのいいハウスメーカーの営業マンだと事前にやれることをやってくれるので、スケジュールの長短はそれにも結構左右されます。
お金を減らさない土地選びって?
2020年現在は土地が不足している状況です。というか数年前から新築用住宅用地は供給量が極端に減っており、需要に追い付いていません。
家を建てたい人にとっては厳しい状況が続いています。奪い合いの状況です。
でもだからと言って妥協しない方がいいです。将来のことを考えると不動産は相続なり売却なりすることになります。
その時により高い価値を認めてもらえるのは『土地の条件』しかありません。
つまり良い条件の土地は高く売れ、条件の良くない土地は安く買い叩かれるということです。
『安物買いの銭失い』。土地選びには外せないキーワードです。
条件の悪い土地を1000万円で買って将来0円になってしまうのと、
多少高いと思っても2000万円の土地を買い、将来価値が下がらず2000万円のままで売れるのとでは、
どちらが損をしないかは明白です。
建物は劣化していきますが土地は立地がすべてです。
日本の人口が減少していく中でも、都市部は逆に集中が進んでいます。
自分のお金を減らさないためにも、土地の条件には細心の注意を払って購入してください。