審査落ちしないための
チェックポイント
重視される項目とその内容を確認しておこう
銀行はお金を貸すのが仕事です。しかし危ない奴には貸しません。
危ない客とは何か?危ない客にならないために、融資で重視されるポイントについて確認しておきましょう。
仮審査に落ちないための準備とは?
住宅ローンは何を審査されるのか?
銀行は審査の際に重視するいくつかの項目があるといわれています。
実際の審査プロセスはブラックボックスであり、外部からはその中身がどうなっているか知ることはできません。
しかし不動産会社やハウスメーカーの営業マンであれば過去の経験を通して情報が蓄積されているので、審査落ちするしないに対しておおよその予測ができます。
審査において重要視される項目は存在していますが、それぞれに明確なラインが存在しているというより、複合的にそして総合的に判断されるのは間違いないと思います。
どれかひとつの要素が厳しくても、他の項目で評価が高ければ挽回も可能です。
それではひとつづつ見ていきましょう。
ご自身に当てはめながら読んでみてください。
申し込み本人の要素
借入時の年齢
年齢が若い方が有利ではあると思いますが、勤務先や家族構成などのほかの要素とあわせて判断されるようです。
たとえば若くて独身だと、この先結婚して子供を持つかもしれません。
そうすると可処分所得が減り、今は払えていたローンが払えなくなるということも考えられます。
逆の考えとして若ければ早いうちに払い終わることになり、貸す方としては安心材料になることもあります。
そういう意味で他の要素との絡みで判断され、単純に若いからいいとかダメということにはならないようです。
ただし、年齢が上がるにつれて審査が難しくなることは間違いありません。
これは万一の解雇や退職の際に年齢的に転職が容易にできず返済できなくなる可能性が高くなるとか、健康上のリスクが高まるからといったことを懸念されるからと思われます。
完済時の年齢
銀行によって完済時の年齢が決まっています。
たとえばろうきんの場合は81歳未満となっています。80歳までに支払いが終わるようにしないとダメということです。
なので審査申し込みの際には、借入期間がこれを超えないことが重要になります。
また完済時の年齢が低いと審査に有利かというとそんなことはないと思われます。
無理して短く設定したとしてもまず審査には影響しないでしょう。
返済期間が完済時年齢の枠内であるかがポイントです。
健康状態
団体信用生命保険というのはご存じですか?
この保険は万一事故や病気でお金を借りた本人が亡くなった場合に、保険から残債分が支払われる仕組みです。
残債全額なので住宅ローンはチャラになります。
住宅ローンの融資はこの団体信用生命への加入が必須条件です。
なのでこの団信に入れないと審査落ちとなります。
団信保険に入れない危ないケースは
3年以内の手術や治療歴
3ヶ月以内の治療や投薬歴
がある方で、その病気の種類や手術の内容が保険会社の定めるものであった場合です。
ただこの団信は保障の範囲によっていくつか種類が用意されているので、最悪引き受け幅の広いワイド団信(ろうきんの場合は引受緩和団信)で拾ってもらうことになります。
金利は上乗せになりますが審査落ちを免れることができます。
そしてこの団信、一般的には本審査の段階で申し込みをするのですが、不安がある方は仮審査の段階での保険申し込みも可能なので早い段階で相談して決着させておくのがいいでしょう。
家族構成
よく独身は通りづらいと言われることがありますがそんなことはないと思われます。
独身不利説の理由は将来の家族構成や勤務先などの環境が変化しやすく、無事完済まで辿り着けるか不透明だと思われるからでしょう。
確かに20代前半の独身者なら、家を購入後に結婚したらどうなるの?という疑問を持たれるでしょう。
今はよくても、この先結婚や育児、教育にお金がかかり返済が苦しくなるのではということです。
これが40代独身なら、この先も家族構成が変化する可能性は低いとみなされるのではないでしょうか。(失礼な話ですけど)
ほかの項目とあわせて判断されるということですね。
物件の要素
不動産の担保評価
万一住宅ローンが払えなくなった場合、銀行は物件を競売などにかけて換金します。
しかし物件に何らかの問題があった場合は売ることができず回収不能となります。
それを防ぐために銀行側は物件に何か不都合な点はないかをチェックします。
確認すべき項目は示されています。別ページで解説しています。
お金の要素
申込者の年収
年収が高ければ審査に有利ですが、ただ高いだけではなくその収入が安定しているかどうかが重要になります。
単発で昨年の年収が高かっただけかもしれない可能性もあるからです。
勤務先の業種や就いている職種、勤続年数などから安定的なものかどうかも見られるはずです。
営業職などで歩合の割合が大きいとか、残業代などで収入の変動があるといった職種の場合は注意が必要です。
金融機関によっては前々年度の年収額を書かせるところもありますね。
また年収は次で説明する返済負担率にも影響してきます。
返済負担率
年収に対して住宅ローンの支払いがどれくらいの割合になるかを返済負担率といいます。
これは銀行によって基準が決められており、たとえば年収が400万までの返済負担率は30%、400万以上は35%といった感じです。
注意することは返済負担率の計算には借り入れをする住宅ローンだけではなく、既存のローンやクレジット等も含まれる点です。
一本化する場合はおまとめした合計額になります。
この返済負担率は逆算するといくらまで借りれるかという『限度額』を計算して出していくこともできます。
仮審査する際は返済負担率を超えないようにすることが審査落ちを防ぐための重要ポイント。
仮審査申し込みには重要なポイントなので別ページで詳しく解説しています。
融資可能額(融資率)
これは購入物件の価格に対する借入額の割合のことです。融資率とも言います。
自己資金誤が多いとこの比率は下がり、融資が通りやすくなります。
ただ一本化するためのおまとめローンの場合、家の購入額プラス残債なので融資率は100%以上です。
なのでここでは対策は考えなくてもいいでしょう。
他ローンの債務状況・返済履歴
あなたがブラックリストに載っていると審査落ちします。
でもそもそも銀行はどうしてあなたがブラックかどうかわかるのでしょうか?
それは『個人信用情報』を調べているからです。
個人信用情報いわゆるブラックリストは専門の機関(会社)によって管理されています。
そこには過去から現在に至るクレジットカードやローンの契約内容や支払状況などが登録されいます。
審査時には全ての情報機関にチェックが入ります。
隠すことはできないのでもし異動情報などの深い傷があれば審査は一発否決となってしまいます。
この信用情報は自分自身でも開示請求することができるので不安がある人もそうでない人も審査前にチェックしておきましょう。
審査落ちにつながる重要なポイントなので別ページで詳しく解説しています。
勤務先の要素
雇用形態
雇用形態は正規雇用が必須条件、つまり正社員でなければなりません。
派遣など非正規雇用はどんなに収入が高く勤続が長くても、この先雇用止めなどになる可能性は否めません。
もしそうなった場合は住宅ローンの返済が行き詰りますね、と判断されることになります。
ただ雇用契約書の提出は求められないので、どこで正規と非正規の区別をしてるかということにもなります。
ここは申込書に書く自己申告しかありません。
なので虚偽申告を考える人もいるでしょう。
でも判明した時には期限の利益を失い、一括返済を求められるでしょう。
嘘の申告はダメです。
勤続年数
大概の銀行における審査基準には最低1年以上となっています。
もちろん長い方が有利です。
継続性や安定性があるという判断になるのでしょう。
しかし最近は転職が当たり前になっているので昔ほど影響しないようにも思います。
ですが業種や職種によってはかなりマイナスに働く場合もあると思いますので注意しましょう。
業種
〇〇業の会社に勤めてます、とか言うときの〇〇です。
完全に職業差別ですが、統計的に業種による違いがあるのだと思います。
審査に通りにくいといわれる業種としては、昇給の可能性が低い、離職率が高い、収入の増減が大きい業種などです。
たとえば
宿泊業
飲食業
介護福祉職
美容業(美容師)
運送業(ドライバー)
生損保販売(外交員)
などが挙げられます。
本当に職業差別ですが仕方ありませんね。
勤務先の規模
会社の規模が大きいと企業が安定していて、社員の収入も同様に安定していると判断されます。
反対に零細企業勤務だといつ会社が潰れてもおかしくない、と思われます。
今や大企業でも倒産する時代なんですが、でも大企業有利の傾向は変わりません。
審査の際にはたくさんのことをチェックされることがお判りいただけたと思います。
あくまで複合的に判断されますから、不安要素があったとしてもすぐ審査落ちというわけではないのです。
重要なポイントは対策できる部分を知ることです。
そしてできることをしっかり対策して臨めば、審査に通る可能性が上がります。
事前準備をすることで審査落ちを防ぎましょう。
『信用情報』の取得方法について別ページで説明しています。
また、返済負担率を超えないための資金計画の準備については下のボタンから読んでみてください。
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